八月八日頃に暦は「立秋」を迎え、これからが秋とされます。実感としては夏の盛り、一年で最も暑い季節のうちですが、そこはかとなく、夏の終わりの淡い予感も漂う頃。

ことに、八月の十三日からの三日間(地域により異なります)のお盆を過ぎると、夏がゆっくりと過ぎていくような気持ちになります。

八月二十三日頃には「処暑」となります。暦の上ではこのあたりから厳しい夏の暑さがおさまるとされています。地域によって差は大きいでしょうが、空に秋の気配をうっすらと見つける頃かもしれません。また、台風シーズンも到来し、気候が乱れますが、「台風一過」の空気が、やや涼しげに感じられるのもこの季節です。

九月二十三日あたりには「秋分」を迎えます。「秋分」には昼と夜の時間の長さがほぼ同じとなり、これ以後、昼の時間の方が短くなっていきます。

「秋分の日」をはさんだ前後三日を「お彼岸」と言い、お墓参りをすることも多いです。秋のお彼岸のお供えには「萩の花」にちなんだ「おはぎ」を用いる習慣もあります。

一月に食べる「七草がゆ」に入れる「春の七草」は有名ですが、秋にも「七草」と呼ばれる植物があります。春の七草と違い秋の七草を使った行事が特に定められているわけではなく、また「秋の七草」は主に鑑賞用で食するものではないため「七草がゆ」もありません。

しかし季節を感じ、秋をあじわうために、この七草を知っておくのはよいものでしょう。また、「秋の七草」にちなんだイベントを、個人的に、家庭で、または企画して行うのも楽しいものかもしれません。

秋の七草とされているのは「女郎花(おみなえし)」、「尾花(ススキ)」、「桔梗(ききょう)」、「撫子(なでしこ)」、「藤袴(ふじばかま)」、「葛(くず)」、「萩(はぎ)」の七種です。この「秋の七草」は、山上憶良(奈良時代の歌人)が詠んだ歌に由来すると言われています。

秋を彩るもうひとつの行事が「お月見」でしょう。九月の中旬から下旬に訪れる「十五夜」「中秋の名月」には、その年一番の美しい満月が見られるとされ、その日にお月見の行事を行います。

お月見は秋の畑作物の収穫を祝い、感謝する行事でもあるので、お月見だんごやおはぎの他に、畑で取れた作物をお供えする地域も多いようです。

九月九日は「重陽」で、「九」という奇数(陰陽思想では陽の数)が重なる日であることから節句となっていますが、ちょうど菊の季節でもあるため、「菊の節句」ともされています。

菊の花を飾る、菊の花びらを浮かべたお酒を飲む、などという習慣もありましたが、最近ではあまり行われていないようです。このような日も意識して、キク科の可愛い花を部屋にかざるなどしても楽しいですね。

季節が進み、十月の八日頃には「寒露」となります。文字にも見えるとおり、地域によってはそろそろ寒さが忍びよってくる季節。暦では「冷たい露の結ぶ頃」とされています。

最近盛んになりはじめたハロウィンの行事は十月の三十一日に行われます。これはもともとはケルト人のお祭りで、一年の最終日であるこの日には死者の霊が家族に会いに来るとされている、日本のお盆のようなものです。同時に魔物や魔女もやってくるとされていたため、人々はそれらから身を守るために仮装をしていたのです。